外国人材の受け入れをご検討中の皆様、在留資格や職種の選択でお悩みではないでしょうか。今回
は建設業の企業様向けに、在留資格ごとに受け入れ可能な職種をご紹介いたします
1.はじめに
外国人材が仕事や実習に従事する場合、その活動内容に応じた在留資格の取得が必要となります。
今回は、建設業の技術職に従事する方の多くが取得する「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識
・国際業務」の3つをご紹介いたします。
※「外国人建設就労者」とも呼ばれていた在留資格「特定活動32号」は、2020年度のオリンピック・
パラリンピック東京大会による一時的な建設需要の増大に対応するために、時限的に設けられたもの
です。この在留資格は、2023年3月31日に終了しているため、新たに受け入れることはできません。
2.在留資格別 受け入れ可能職種
2-1.技能実習
「技能実習」は、日本で学んだ技術を母国の発展に活かしてもらうための在留資格です。建設関係
で従事できる作業は、以下の22職種33作業に限定されています。(2024年2月末現在)
職種 | 作業 | 職種 | 作業 |
さく井 | パーカッション式さく井工事 | 熱絶縁施工 | 保温保冷工事 |
ロータリー式さく井工事 | 内装仕上げ施工 | プラスチック系床仕上げ工事 | |
建築板金 | ダクト板金 | カーペット系床仕上げ工事 | |
内外装板金 | 鋼製下地工事 | ||
冷凍空気調和機器施工 | 冷凍空気調和機器施工 | ボード仕上げ工事 | |
建具製作 | 冷凍空気調和機器施工 | カーテン工事 | |
建築大工 | 大工工事 | サッシ施工 | ビル用サッシ施工 |
型枠施工 | 型枠工事 | 防水施工 | シーリング防水工事 |
鉄筋施工 | 鉄筋組立て | コンクリート圧送施工 | コンクリート圧送工事 |
とび | とび | ウェルポイント施工 | ウェルポイント工事 |
石材施工 | 石材加工 | 表装 | 壁装 |
石張り | 建設機械施工 | 押土・整地 | |
タイル張り | タイル張り | 積込み | |
かわらぶき | かわらぶき | 掘削 | |
左官 | 左官 | 締固め | |
配管 | 建築配管 | 築炉 | 築炉 |
プラント配管 |
★上記以外の分野の受け入れ可能職種が気になる方は、以下厚生労働省のHPをご参照ください。
『技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(90職種165作業)』(PDF)
※上記は全て「移行対象職種」です。これらは、その職種に従事している技能実習生が、1号から2
号や3号に移行することを認められる業務です。1号の技能実習生のみを受け入れる場合は、この限り
ではありません。
2-2.特定技能
「特定技能」は、日本国内の労働力不足対策のために、即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。この在留資格は、前述の技能実習のように、細かく作業内容が限定されているわけではありません。技能実習職種を含む、建設業に係る全ての作業が対象です。
業務区分が「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つに区分されています。以下は、想定される区分ごとの作業例です。
区分 | 作業例 |
土木 | コンクリート圧送、とび、建設機械施工、塗装 等 |
建築 | 建築大工、鉄筋施工、とび、屋根ふき、左官、内装仕上げ、塗装、防水施工 等 |
ライフライン・設備 | 配管、保温保冷、電気通信、電気工事 等 |
2-3.技術・人文知識・国際業務
「技術・人文知識・国際業務」は、専門的な技術や知識を要する業務を行うための在留資格です。この在留資格は、外国人材本人の学歴(もしくは職歴)と、受け入れ先で行う業務内容が関連していることが必須条件となります。従事可能な業務内容が細かく決められているわけではありませんが、原則「単純労働」に従事することはできません。職種としては、施工管理職や設計職等で雇用されている企業が多くいらっしゃいます。
3.まとめ(比較表)
今回は、建設業で受入れ可能な3つの在留資格と、それぞれの職種をご紹介しました。
改めて、以下の表にまとめています。
技能実習 | 特定技能 | 技術・人文知識・国際業務 |
従事可能な作業範囲が限定的 (22職種33作業) | 技能実習職種を含む、建設業に係る全ての作業 (土木/建築/ライフライン・設備の3区分のどれか) | 専門的知識や技術が必要な業務のみ (主に施工管理や設計など) ※単純労働は不可 |
★技能実習と特定技能の細かな違いが気になる方は、前回のブログをご参照ください!
【企業向け】技能実習と特定技能って何?7つの違いを簡単に解説[1]
4.最後に
どの在留資格で受け入れるとしても、日々の社内コミュニケーションが非常に大切となります。はた楽日本語では、建設業の即戦力育成に特化した外国人就労者向けのレッスンをご提供しています。レッスンは、すべてオンラインで、全国どこからでもご受講いただけます。ぜひ、はた楽日本語をご活用ください。